第30章 reunion
今年高専に1年として入学した虎杖悠仁。
宿儺の指を取り込み、器となった異様な体質である少々謎な少年。
今年から新たに、この虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇の担任となった五条。
特級呪霊に殺されたはずの虎杖は、宿儺による力で生き返り、無傷で今ここにいる。
"ここ"というのは五条悟の家。
生き返ったことをクラスメートや上の連中に知らせるのは虎杖の身にまた危険が及びかねないと判断したため、ひとまずここで訓練をさせることにしたわけだ。
しかし、虎杖は目を点にしている。
「えぇー…先生の言ってたのって…これぇ?!」
「うん、そうだよ、悠仁すげー会いたがってたじゃん」
虎杖は、渡されたテディベアの両脇を抱えながら、まじまじと見る。
「…いやぁ…確かにぃ…かわいいけどさぁ…
これってただのクマのぬいぐるみじゃん。」
虎杖は、五条との会話を思い出す。
「五条せんせーって、なんでそんなに強いのー?
やっぱ生まれつき?」
「…んーそうとも言いきれないかな。」
「俺にとっちゃ、五条先生が先生だけどさー、五条先生にも先生がいたの?いたとしたらその人めっちゃめちゃすげーんだろーなぁー!」
「…うん…もちろんいたよ。
世界一可愛くて、ものすごぉぉく強くて、死ぬほど憎たらしい、僕の師匠がね……」
「………えぇ…?……マジ?!なにそれ…
ずりーよ!!そんなに美人で強くてツンデレなんて最強すぎじゃん!!会わせてよ!!ねぇお願いだよ五条先生っ!!」
「…美人でツンデレなんて言ってないけど…ふっ。
まっいっか。OKOK。どうせなら訓練付けてもらえば?」
「えっウソ!?いいのぉ?!
うっひょぉ〜!すっげー楽しみができたっ!!
あー…でもどーしよ!なんか俺緊張してきたわぁ…」