第3章 comrade
「ま、今回は諦めろ、悟。
俺が先に言ってしまったことだ。今更取り消せないしな。だがお前のその前向きな姿勢は評価する。次回はそれを尊重しよう」
「チッ」
「次回?」
五条と夏油の小さな呟きが重なった。
「昼食後に任務開始だ。いいな?」
「ーー…」
4人の返事のようで返事じゃないような声で締め括られた。
食堂で硝子とレイがお喋りをしながら昼食を摂っているのを横目で見てから夏油は目の前の五条に視線を移す。
「あーもー無理ー。新幹線で菓子食いすぎたわー。
傑、これ食べていいよ」
そう言ってグイと押し付けられたトレイにはほぼ全ての食事が残っている。
夏油は眉を顰めてそれを見る。
「この場合、食べていいよではなく、食べてくださいなのでは?子供でもそれくらいのことは」
「また正論?俺正論嫌いなんだって言ったばっかなのに〜」
何食わぬ顔で被せてきたその言葉は、夏油のこめかみに青筋を立てた。
「なかなか私に喧嘩を売るのが上手くなってきたようだね、悟くん?」
「んんー?」
好戦的な目で口角を上げ始める五条に、夏油はフッと笑った。