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walking proud~呪術廻戦~R18~

第28章 cause


「傑。お前に質問がある。」

「んー?なんだい悟?」

楽しそうな笑みを零す夏油を、黒布の奥から真っ直ぐ見つめる。

「先程の説明について何か分からないことでも?
あー、日付けの確認かい?
12月24日だよ、この日はきっと街中に猿がわんさか湧いて、」

「違う。そのことじゃない。」

語彙を強める五条に、夏油はやれやれといった表情で短く息を吐く。

「なんだい?」

「お前も知ってるだろ。
レイと…それから、クマのことだ。」


夏油は表情一つ変えない。

「…それで?質問はなんだい?
悪いがこっちは急いでるんだ。」

「なぜ、クマは人形に戻ったのかについて聞きたい。」


間を開けず、キッパリとそう言い放った。

もうずっと考えてきたことだ。
クマは、レイが死んだとしても、夏油さえ生きていれば人形に戻ることはなかったはずだ。
2人の呪力と想いでできた呪骸なのだから。


夏油は片眉を上げ、視線を上に動かした。
そして思い出したように声を出す。

「あ〜…そういえば…言っていたっけな。
彼女が死んでも、私がクマを生かしたいという気持ちさえあればクマは死なないとかなんとか…」


その言葉に、五条は目を見開く。

ということは…つまり…


「…つまり傑、お前は……」

「あぁ、そう。
君の今思っている通りなんじゃないか、悟。
私には見ての通り、ほら。新しい家族がいるからね。」


にっこりと笑って言うかつての親友に対し、今、確信してしまった。

もうあのときの傑じゃない。

それなら……
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