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walking proud~呪術廻戦~R18~

第28章 cause


現学長・夜蛾正道は、窓の外を見下ろしながら言った。

「悟…やはりお前の杞憂なんじゃないのか?未だ夏油の動向は掴めん…」

「学長、残念ながらそれは有り得ないです。」

五条はキッパリと言った。

「そう思いたい気持ちは分かりますけどね。
僕が傑の呪力の残穢を間違えるわけがないでしょ」

「・・・そうだよな。ガッデム。」

重苦しい空気が流れる。
かつての教え子がこれからまた何かをしでかす?
何かを企んでいる?

あの頃の五条も、あの頃の夏油も、
もういない。

俺がどこかで何かを間違えたのかもしれない…

あれからずっと考えてきたことだ。


あの時、なぜ夏油を逃がしたのかと聞いた時、
五条はこう言った。

"俺だけが強くてもダメらしいよ。
俺が救えるのは、他人に救われる準備のある奴だけだ"



「なぁ、悟…
もしものことがあった時…
次こそは………できるのか?」

かつての親友を…

夏油程の奴をそうできるのは五条しかいないだろう。
しかし、それをさせるのはあまりに惨すぎる。
二人をずっと見て来たからこそ言える。


「……もしも無理ならば…」


なにもできなかった自分の、
せめてもの贖罪として…

命を賭してでもこの俺が…


「僕の役目です」


口を開く前に、間髪入れずに五条は強く言い放った。


「僕と傑の間には、誰も入らせない。」



ズザザザザザ

ざわざわ



その時、突然外の騒がしい音がし、窓の外を注視する。


「っな?!噂をすればだ!!
校内の準1級以上の術師を正面ロータリーに集めろ!!」


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