第27章 dependency ■ 【番外編】
「俺〜レイのこと大好きだぜぇ」
パンダがレイの顔を見て言った。
なんとも愛らしくてレイは微笑んだ。
「なっ!おいらの方が負けてない。」
「俺の方がくま野郎より先に出会ってる」
「それは関係ねぇ!つーかクマ先生だろーが!
だいたいおいらはレイのっ」
2匹のやり取りがかわいすぎてレイは写メに夢中になっていた。
笑いをこらえながら嬉しさを噛み締めていると…
「やぁ、お二人とも。その口論に私も参加させてもらってもいいかい?」
「っ!!傑!?いつのまに?!びっくりしたぁ…」
夏油がにっこり笑って立っていた。
「私の方がレイとの付き合いは誰より長いし、愛情も負けないと思うなぁ…」
クマとパンダはムッとした様子で口を噤んだ。
「それから私の方が、レイのことをよく知っていると思うしー…あんな顔やこんな顔や、あんな声もこんな声も…それから、」
「ちょ、ちょと!やめてよ傑!」
「ハハハハハハ冗談だよ冗談。
それよりこんな所にいたんだね…やっと捕まえたよ」
夏油は赤らんだ顔のレイの腕を取って立ち上がらせた。
「今日は脳筋教師に邪魔されちゃったからねぇ…」
そう呟きながら、レイの肩を抱いて部屋を出ていってしまった。
残された2匹はため息を吐く。
「あいつにはお前でも適わねぇ感じか?」
「…そもそも愛の次元が違ぇかんな」
「そうなのか?」
パンダはポカンとした表情でクマを見る。
クマはウンザリ顔で言った。
「ふー…人間に生まれなくてよかったと思わねぇかー?
だっていろいろめんどくせぇじゃん?」
パンダはくすくすと笑った。
「だな…同意見だ。
人間に生まれなくて心底良かったぜ。」
廊下から2人の幸せそうな笑い声がした。