第27章 dependency ■ 【番外編】
レイは、クマとパンダの訓練を覗いていた。
パンダはまだ子供なのだが、子供のうちからあらゆる訓練をさせておきたいという夜蛾の熱望によって、よくクマも訓練をつけている。
「おらおらパンダ野郎っ!てめぇどんどんおいらより体はデカくなっていってんのにその非力なパワーはなんだ!」
「うーくそぉ〜…調子に乗りやがって!
くま野郎めぇ〜!」
レイは苦笑いする。
パンダはクマと一緒にいることが多いからか、クマに口調が似てきてしまっている。
態度まで似てしまったら最悪なので、なんとかそれは避けたいと思っている。
「…さぁさぁ、2人とも休憩しよ?
どお?お菓子でも食べないー?いちごミルクもあるよ」
レイはテーブルにそれらを置いて手招きした。
クマとパンダは先程とは全く別物のように大人しくなんとも可愛らしい姿でテーブルにつき、飲食し始めた。
「か…かわいすぎるなぁ…」
レイはすかさず写メを撮る。
「…にしても、レイは不思議な奴だなー。
俺あんま飯っていらねーし、いちごミルクも別に好きじゃねーけど、レイがいると、なんかいける。」
パンダがむしゃむしゃ声で言った。
レイは素直に嬉しく思って微笑んだが、クマは汚いものを見るような表情をして言った。
「レイはおいらの所有物だし、おいらもレイの所有物なんだ。そしてお前は夜蛾の所有物。妙な気を起こすなよ」
「あん?別に起こしてねーよ」
「ちなみにおいらとお前は師弟関係だかんな。
分をわきまえろよ。」
「あぁん??」
「ちょっとちょっと!喧嘩をしないでよもぉ…」
レイは睨み合う2匹にため息を吐いた。