第27章 dependency ■ 【番外編】
その光景に、夜蛾はみるみる顔を顰めた。
「お…い……
どういう状況だ、これは…
何をしているっ、全員離れろっ!」
ピッタリしがみついて離れないレイと夏油。
床に寝そべってニヤついている五条の胸に乗っかっているクマ。
教室で見る光景とは思えない。
「……ふざけるな!いつまでやってる!
離れろと言ってるだろ!席に付け!」
「え〜…ちぇぇ〜…
良いとこだったのにぃ〜…」
「あぁ??」
五条たちは離れたが、レイたちに視線を移すと、なんと2人は完全に自分たちの世界に入っているようで耳元で何かを囁きあっている。
「ふふふふ… レイ、
君は本当に甘えたちゃんなんだなぁ」
「うん…ダメ?」
「ダメなもんか。むしろ足りないよ。
もっと甘えて。もちろん私だけに…」
「でもたまには傑も甘えて?」
「えー、どんな風に?」
「んー…こんな風に…」
「ふははっ…くすぐったいよ…」
「じゃぁ、こぅー?」
「こらこら耳を噛むな。
私は君の呪具の塊の耳を噛めないんだから…」
「んぁ…傑〜耳に息吹きかけないでぇ…」
「何言ってる。君はいつもこうすると、」
「おい!!!!!!」
夜蛾はいてもたってもいられず、
完全にキレた態度で乱暴に2人を引き剥がした。
というより、コアラ状態のレイの両脇を、猫を持つかのように持ち上げて下ろした。
レイも夏油もあからさまに不貞腐れたような顔をしている。
夜蛾は呆れ顔でため息を吐いた。
「あのなぁ…仲がいいのは結構な事だが、場を弁えろ。
こんな調子では、思わぬ所で命を落とすぞ。」
「あははははそれはウケる!
そのまま2人とも、死んだことにすら気づかねーかも!」
五条の笑い声で夜蛾は呆れてものも言えなくなった。