第27章 dependency ■ 【番外編】
「すーぐーるーーー!!!」
ガバッ!!
「っ!…ははは……」
任務から帰ってきた夏油に勢いよく飛びつくレイ。
身長が五条とそこまで変わらないほど高い夏油の上半身にしがみつくとはまさにすごいジャンプ力だと思って、隣で五条は目を丸くする。
「え、つか何?お前らって、毎回こうなの?
コアラかよっ!」
見るからにレイは完全に木にしがみつくコアラ状態になっている。
夏油は眉を下げて笑いながらその体を両腕でギュッと抱え、臀を支えた。
「ただいま…」
「おかえり傑…会いたかったー…」
互いのいつもの香りをめいっぱい吸い込む。
五条と夏油コンビの遠征任務で丸一日会えなかった。
それだけでレイは人目も憚らず、たまらなくなって抱きついてしまった。
「俺にはしてくんねーのかよーっ!」
「ならおいらがしてやろーか?」
クマが不敵な笑みを浮かべている。
五条はあからさまに嫌だというような顔を向けた。
「はっ、だ〜れがクマのぬいぐるみなんかとっ。
クリストファーロビンじゃねーんだよ、俺はっ!」
すると突然、クマが勢いよく飛んできた。
それはさすがクマパワーというべきか、
あまりに一瞬のことだった。
「っっっぅはぁっ!!!!!」
胸元にズドドドドドっとクマが馬乗りになり、五条が押し倒される形となった。
「っ!おまっ!今頭打つとこだった!!
つーか離れろっ」
「ギャハハハハハハ!!!
お前が心底寂しそうな顔すっからだろ。
おいらのサービス精神に感謝をしろよ。」
「このプー野郎。どの口が言って…」
「あ、じゃあこの状態でまた囁いてやろうか?
今度はローラじゃなくて…綾瀬はるかか?それとも長澤まさみあたりか?」
五条は目が点になり動きを止める。
そしてニッコリ笑って言った。
「いや、トリンドル玲奈でお願い。
滝沢カレンでもいーよ。」
「…てめぇ……ハーフ顔がタイプだったのか…?
それとも天然女が好みか?」
クマが若干引いているような表情になった時、ガララッと扉が開いた。