第26章 distortion
乙骨の中で、五条の言葉が反芻された。
"君にかかった呪いは、使い方次第で人を助けることもできる。力の使い方を学びなさい。
全てを投げ出すのは、
それからでも遅くはないだろう?
…あのね……
独りは……寂しいよ?"
「独りは寂しいって…言われて…
言い返せなかったんだ。
誰かと関わりたい。
誰かに必要とされて…
生きてていいって…自信が欲しいんだ…」
本音を吐露し、涙を溜める。
すると真希は大声で言い放った。
「じゃあ…呪いを祓って祓って祓いまくれ!!
自信も他人もそのあとからついてくんだよ!!
呪術高専はそういう場所だ!!!!!」
里香ちゃん……
力を…貸して……
全てを終わらせて、意識のない真希を背負い、なんとか帳の外まで急ぐ。
そうだ。
僕は…決めたじゃないか…!
ここで変わるって!!
頑張れ。憂太。
里香の声が聞こえた気がした。
「うん…頑張るよ…!」
「おかえり。頑張ったね。」
気がつくと、五条が笑みを浮かべて
目隠し越しに見下ろしていた。