第26章 distortion
まさかまたここに来ることになるとはなぁ…
真希と乙骨ペアを連れ、小学校の前で佇む五条。
ここで昔、レイが……
あのとき自分が彼女ごと特級呪霊を祓って、
そのあとまたこの小学校は再興された。
なのにまた生徒の事件が後を絶たないという。
「大勢の想い出になる場所にはな、
呪いが吹き溜まるんだよ」
真希の言葉に、五条はうっすら笑う。
想い出ね…
ホントにその通りだと…そう思った。
「学校とかはね、何度も思い出されてその度に負の感情の受け皿となるんだ。…呪いを祓い、子供を救出。死んでたら回収だ。いいね?」
そう言って五条は帳を下ろす。
「闇より出てて闇より黒く…
その穢れを禊払え…」
「っわ!…夜になっていく!」
「そんじゃくれぐれも…死なないよーに。」
「死って…!先生?!え!」
分からないことだらけの乙骨は、たちまち闇の向こうへと消えていく五条に顔面蒼白になりながらあたふたする。
「おい、転校生。
よそ見してんじゃねーよ。」
ビクッと真希に視線を移すと、もう戦闘が開始されていた…
そこから何体か真希のみが祓っていった。
乙骨はなにもできず、ただ必死に着いていくのみ。
しかし、子供を助けようとした真希が途中で負傷してしまった。
「乙骨…お前…マジで何しに来たんだ!
呪術高専によ!!!」
真希が乙骨の胸ぐらを掴み、痛みに汗をかき顔をゆがめている。
「何がしたい!!
何が欲しい!!
何を叶えたい!!!」
乙骨は胸ぐらを掴まれたまま、弱々しい声を絞り出す。
「僕は……もう…誰も傷つけたく…なくて…
閉じこもって…消えようとしたんだ……でも…」
でも……