第26章 distortion
「約束だよっ!大人になったら、里香と憂太は結婚するのっ!」
「いいよ!じゃあ僕らはずーっと一緒だね!」
乙骨はあの時の想い出を回想していた。
まさしく、一瞬にして訪れた別れだった。
「里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません…」
2人きりになった部屋で、乙骨は目を潤ませて俯いている。
五条は目隠し越しからその顔を真剣に見つめた。
「これは持論だけどね…」
そう、これは持論だけど、
正論でもある…
「愛ほど歪んだ呪いはないよ」
「……先生、僕は…」
乙骨は左手の薬指の指輪を見つめ、真剣に言った。
「…僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」
.