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walking proud~呪術廻戦~R18~

第25章 splinter




ガランとし、静かになってしまった教室。

4つある机のうち2つはガラ空き。



あの騒がしい日々は、
一体なんだったんだろうか。



全て幻だったのか?

ただの妄想だったのか?



今ではそんな気さえしてくる。





結局、硝子と2人きりでの卒業となってしまった。


五条は、満開の桜の木の下で、
散っていく花弁を見つめていた。


蝶のように、空中をひらひらと舞っているピンク色を見て、小さく呟く。


「なんで今年に限って満開なんだよ…」


視線を落とせば、その花弁は絨毯を作っていた。
自分の靴に何枚か落ち、それをジッと見つめる。

風が吹き抜け、それは絨毯の一部と化した。




"チェリーよりさくらんぼって曲のが私は好きだな。てか、来年はさ、桜を皆で見たいね。卒業式の日に、桜の木の下で、皆で写真撮りたいな。"



そう言っていたのに…。





レイ…ごめんな。

俺って結局、なんにもしてやれなかった。


あれだけ悲し涙は流させないって誓っていたのに、
無理だった…


そもそも、"空になる"ことさえもできなかった。


最強のくせに、
命も救えなかった。

どころか、

遺体すら残せなかった。


結局、なんにもできやしなかったんだ。




傑はきっと、

レイが死んだことに気がついているだろう。



"レイを頼むよ"


無理だったよ、俺。



怒ってるかな。



怒ってるよな。



お前怒るとすげーこえーから、嫌だな。


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