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walking proud~呪術廻戦~R18~

第23章 cruelty


「…悟が謝ることじゃないよ……」

「・・・」

レイも背中に手を回した。
夏油と全然違うと感じた。
夏油よりも少し細身で、筋張っている感じ。
腰周りも夏油よりも細くて薄い。
でも硬くて、暖かくて、逞しい感じがした。

思えば、夏油以外の男と抱擁したことなんてなかったのだ。


「謝るのは…私だよ……
いつまでもうじうじしててごめん…
強くなる…から……」

いつまでも、引きづらないように…
いつまでも弱いままの自分ではダメだ。
悟なんて、私よりも付き合いが長かったんだから、親友だったんだから、すごく辛いはずなのに…
私ばかり甘えていてはダメだ。


「悟は…すごく強いね……
力だけじゃない…心まで強い…」


五条の服を、自分の涙が濡らしていることに気がつき、離れようと力を緩めるが、五条の力は逆に強まった。



「…俺だけ強くても…ダメらしいよ」


「・・・え?」


「俺が救えるのは…
他人に救われる準備がある奴だけだ…」


何も言わずに黙っていると、身体が離れた。
そしてまた頬に指が這った。


「ごめんな…涙を拭うのは…
俺の役目じゃない…のに。」

ぼんやりとした少し冷たい表情の五条。
レイは首を振った。


「…そんなこと…謝ることじゃないっ
だって……」



ギュッと目を瞑って五条の胸元を握る。
その手に五条の手が重なった。


そのとき

額に何かが触れるのがわかった。

それはとても柔らかかった。

そして、そのまま頬に、また同じ感触がした。

柔らかくて、暖かくて、でも…

目を開けた時、そこにある眼はどこか冷たく淋しげだった。
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