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walking proud~呪術廻戦~R18~

第23章 cruelty


月日が流れた。


レイは表面上は落ち着きを取り戻しつつあった。


今日は五条と墓参りに来ている。



「棗ちゃん…ごめんね…」

この謝罪にはいろいろな意味が込められている。

こんなことになってごめん
なにもできなくてごめん
あれから1度も遊んであげられなくてごめん


棗のペンダントは、自室の引き出しに封印してしまった。
自分はどうしても外すことができなくて、したまんまだ。


隣から五条が花を手向けた。

「ごめんな、棗。ゲームやってやれなくて…」

静かな掠れた声。

それはレイの胸を痛くした。




「俺さ…親友なのに…傑のこと、なんにも見れてなかったっぽい。あいつの苦しみや葛藤に、なんにも気付いてやれなかったんだ…」


「……それは私だって同じだよ。
恋人…だったはずなのに…何も…知らなかった。
傑のこと…助けられなかった…支えにすらなれていなかった」


また涙が溢れてきてしまった。
ポタポタと、その雫が供えてある花弁へ落ちていく。



すると、五条の手が頬に添えられた。

促されるままゆっくりと横を向くと、サングラスをしていない大きな蒼眼は徐々に細まった。

そのまま五条の親指が頬を滑り、涙が拭われる。




初めて誰かに涙を拭われた。
その初めての人は今隣にいる、五条悟…
夏油傑ではない…


どうして…なぜ…
今私はここにいて、こうしている?




「さ…とる……」
「ごめん、レイっ」

その言葉は同時だった。

そして、抱きしめられたのも同時だった。


「ごめん…ごめん…ごめん……」

蚊の鳴くような小さな謝罪の声。


「ど、して…謝るの……」


ギュッと腕の力が強まり、背の高い五条の声が上から降ってきた。


「… レイに…悲し涙を…流させたからだ」


クマとした約束を、俺は守れなかった。
傑にさせた約束も、守らせることができなかった。
結局俺は、なにもできなかったんだ。
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