第23章 cruelty
人の行き交う街の雑踏の中、夏油の前に立ちはだかる五条。
夏油はこちらに気づいて立ち止まった。
「説明しろ傑!!!!!」
「硝子から聞いただろ?
それ以上でもそれ以下でもないさ」
「だから術師以外殺すってか?!
親も?!棗も?!」
「特別扱いするわけにはいかないだろ。
それに、もう私の"家族"はあの人たちだけじゃない」
「んなこと聞いてねぇ!
意味ない殺しはしねぇんじゃなかったのか?!」
盤星教のあいつら、俺が殺すかと言った時、
お前は言ったよな。
意味が無いからやめろと。
"意味ね…それ本当に必要か?"
"必要なことだ。とくに術師にはな…"
あれはなんだったんだ?
夏油は不気味に笑っている。
「意味はある。意義もね。大義ですらある。」
「ねぇよ!!非術師殺して術師だけの世界を作る?!
無理に決まってんだろ!!!
できもしねぇことをセコセコやんのを!
意味ねぇっつーんだよ!!!」
「…傲慢だな」
「あ゛?」
夏油は冷たい表情になり、目を細めた。
「君にならできるだろ、悟。
自分に出来ることを人にはできやしないと
言い聞かせるのか?」
五条は目を見開いた。