第22章 impurities
「え・・・どういうこと?
なんのドッキリ?…嘘だよね?」
夜蛾も五条も、顔色が悪く、悔しそうに顔を歪ませている。
傑が集落の人間100人以上を皆殺し?
逃走していて処刑対象?
傑が?本当に、彼が?
「さっきクマ野郎から電話あって、
傑の家族も全員…殺されてた…って…
両親も…棗…も……」
その瞬間、レイの中で、何かが千切れるような音がした。
「…うそ…だよ…絶対…」
「俺だってそう信じたい。でも…現実なんだ。全部。」
「嘘だよ…わ、わ、わた、し…行かなきゃ!
私が嘘だと証明する!!」
「待て神無月、これは集落の現場に落ちてたものだ。」
腕を掴んで引き戻され、夜蛾に渡されたもの。
それは稲妻型のピアスだった。
その瞬間、レイの中で、何かが弾ける音がした。
「うわぁあああ!!!嘘!!絶対!!嘘ぉ!!」
「落ち着け神無月!!」
「レイ!俺が行くから!」
なにがなんだかわからなくて、とにかく泣き叫んだ。
頭に血が上ってふらふらと目眩がする。
震える体でとにかく2人から逃れようとする。
こんなのただの夢だ。
傑がそんなことするはずない。
両親と棗ちゃんまで…
こんなこと
あってたまるか!
「うわぁぁぁっ!!!離してーー!!わあああぁ!」
「っーレイ落ち着け!」
夢だ
夢だ
夢だ
自分が今なにを叫び、どうなってしまっているのか、どこにいるのかすらわからなくなっていた。
視界が歪み、鼻から息が吸えなくなり、
全身に力が入らなくなってきて床に崩れ落ちてしまった。
立とうとしても、立てない。
どうして
何が起きてるの。
こんなの……って……