第20章 curse
クマの報告書の方がまだマシだった。
ページを捲っていくと、クマと五条の報告書があった。
なんと2人の字が行き来していて、会話のようにもなっている。
△月△日 氏名 クマ・五条悟 つーか名前くらい自分で書け!
件名…クソでけぇ森。←自殺の名所らしーよ。
内容…細けぇのうじゃうじゃ。ほぼおいらが討伐。←いや俺もやったから
1級1体の幻聴に五条がやられてたところをおいらが救助。←やられてねぇ!あとグラサンこいつに飛ばされてなくしましたー
下級呪霊が集まりやすい場所だと思った。1級は人間の潜在意識に入り込むのに長けてて…おい!なぜおいらばかりが書いてる!あとはてめぇが書け!←ヤダ
問題点及び改善点…クマ野郎がうっせぇ。←てめぇほどじゃねーよ
備考…五条が黒閃発動。森(補助監督の森だぞ)のガムをイチゴ味に変えさせた。
夜蛾のコメント欄…報告書で言い争うな!関係の無いことを書くな!
と書かれている。
レイは、伊地知が一生懸命報告書を書いている隣で必死に笑いをこらえながらまたページを捲った。
今度は夏油と五条の報告書だ。
これも2人の字が行き来していた。
△月△日 その日付の上に線が引かれ、達筆な夏油の字で訂正されている。
件名…世田谷のあれ
あれの上に線が引かれ、世田谷区三宿の〇〇ビルにて発見した呪霊討伐。と夏油の字で書かれている。
内容…2級呪霊をそれぞれ討伐、1級が屋上にいたため悟を呪霊に乗せて送った。
あとは悟が書け。←ヤダ←なら私は知らん
問題点及び改善点…なし
備考…すぐるの呪霊に乗って帰りたい←ダメだ
夜蛾のコメント欄…ふざけるな!
レイはついに笑ってしまった。
伊地知は自分が笑われたのだと思ってペンを止め、怯えたような表情でレイを見つめた。
そのとき、
〜♪
「っあ!傑だ!…もしもし?終わった?」
«うん終わったよ。もう高専に着く。»
「今伊地知くんに報告書の書き方をみっちり教えてるところだからちょっと待ってて!」
«わかった。じゃあ外のベンチにいるね»