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walking proud~呪術廻戦~R18~

第19章 torture


「僕はさ、性格悪いんだよねー」

突然、五条さんはそう切り出してきた。

「知ってます…」

「伊地知、あとでマジビンタ!」

えっマジビンタ?
ビクリとしだした途端にまた五条さんは喋りだした。

「教師なんて柄じゃない。そんな僕がなんで高専で教鞭をとっているか、聞いて。」


「な…なんで…ですか?」





「夢があるんだ…」



五条さんはこの時、とても静かで柔らかい声で言った。
目隠しをしているのに、どこか遠くを見ているのだとわかった。



「夢…ですか…?」


「そっ!悠仁のことでも分かる通り、上層部は呪術会の魔窟。保身馬鹿、世襲馬鹿、高慢馬鹿、ただの馬鹿。腐ったミカンのバーゲンセール。
そんなクソ呪術界を、リセットする!」

「・・・」

「上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でもそれじゃ首がすげ変わるだけで変革は起きない。そんなやり方じゃ、誰もついてこないしねー。」


「…変革……」




「だから僕は教育を選んだんだ。
強く聡い仲間を育てることを。」




五条さんの口調は、また緩やかになった。
また遠いところを見るような、そんな印象だった。





「若人から青春を取り上げるなんて許されてないんだよ。
何人(なんびと)たりともね……」






そして私は気がついた。

彼が、何を思い出しながら語っているのかを。


それからこれは、私を少しでも励ますための、
彼なりの慰めなのだと。
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