第18章 holy night■
「なに……今の…ホントにお前?」
「おう。他に誰がいる」
五条は耳を抑えて顔面蒼白にした。
「……ローラじゃん…」
「「え?!」」
「まさかクマって声のコピー能力まであるの?!」
レイは驚嘆した。
これはすごすぎる発見だ。
クマは何も言わずにドヤ顔で酒を飲み出した。
「マジで本人の声だった…!すげー鳥肌たったわ…うわ……お前すげーよクマポン!もっとやってくれ!」
「は、嫌だね。」
暫くそんな言い合いをした後、次は硝子が王様になった。
「んーじゃぁね〜、1番と3番が真顔で見つめ合う。で、負けた方デコピンね!」
「…あ…私1番だ…」
「私が3番だから私との勝負だねレイ」
レイと夏油の番号だった。
「えぇ〜…自信ないんだけどぉ…」
そう言いつつも、グッと顔を近づけられ、目と鼻の先で見つめられる。
夏油は本当に無としか言いようのない真顔だ。
こんなに近くでそんな顔でずっと見つめられたのは初めてで、かなり緊張してしまうが、負けたくないのでレイもひたすら無表情を貫く。
「・・・」
「・・・」
「なぁ、これ終わんなくね?」
もう1分ほど経過していて五条とクマは飽きたようで、残っているケーキをつつきだしている。
硝子は酒を飲んでいて、自分が命令しておきながらも上の空だ。
「傑」
「なに」
お互い真顔のまま声を発する。
「そろそろ折れるかい」
「だめ。負けない。」
無表情なため、声も棒読みで無機質になっている。
もう3分ほど経っている。
レイは正直、心臓が爆発しそうだった。
真顔でさえも色っぽくて、彼と目を合わせて直視し続けているのが苦しくなってくる。
少しだけ息が荒くなっていた。