第18章 holy night■
レイが夏油に連れられて登場したときにはもういろいろと始まっていて、そして当然皆の視線がレイに突き刺さり、騒がしかった空気が一瞬で静まり返った。
夜蛾が去年同様、使用を許可してくれたこの場所は広い一室で、今はほとんど使われていない談話室のような空き部屋だ。
そこに1~3年が集まっている。
といっても高専の生徒は元々とても少ないので、夜蛾などの教師含めて15人もいないが。
そしてテーブルにはホールケーキが15個というありえない光景と、冥冥の用意してくれたデカすぎるターキーや、オードブルや菓子、それからクマが七海に取り寄せさせたデンマーク産の酒や硝子の発注した酒などが大量にあった。
レイの登場時の冥冥の反応は凄かった。
「はぁぁぁああん!素晴らしすぎるよレイちゃん!やはり私が目をつけた通りだ。」
などと言って抱きつき、何度も写メを撮らされた。
五条はやはり、
「やっぱ俺の六眼は腐ってねぇだろ!傑〜!」
と言ってけたけた笑い、クマは爆笑していた。
硝子や歌姫もベタ褒めしていた。
七海は唖然とした表情で、いつもの如く灰原の目を塞いだ。
「ん!またなんだよ七海!手ぇ退けろ!」
そう言って無理やり引き剥がしてからレイを見て、またいつもの如く仔犬のような目をキラキラさせた。
「わぁ〜凄いなぁ〜!こんなサンタさんって絶対リアルにいますよね!」
「いるわけないじゃありませんか。というか、まさか君は未だサンタを信じているタイプの子供ですか?」
七海のその言葉は盛大に無視されていた。