第18章 holy night■
夏油は自室のドアをノックする。
「…レイ?平気かい?入っていい?」
「…あっ…うー、あと少し待って!」
奥から少し上擦ったような声が聞こえた。
「…わかった。ここで待ってるね」
廊下でスマホを確認する。
"ケーキ無事購入〜♪そっちはもう準備万端だよな?
サンタとトナカイちゃんといるよな?"
五条からやはりLINEが来ていた。
夏油は短く息を吐きながら返信する。
"サンタは良い子の所へしか来ないよ"
ほどなくしてすぐにOKの声があり、夏油は恐る恐る扉を開けた。
そしてその姿に驚愕し、危うくスマホを落としそうになる。
「・・・」
まさに破壊力MAXのミニスカ網タイツ、肩と鎖骨とヘソという露出ポイントMAXのサンタがそこにいた。
軽く目眩すら引き起こしそうになり、額に手を当ててその姿を凝視した。
「・・・傑?」
目を見開いたまま固まっている夏油に、レイはみるみる不安になる。
「ごめん、やっぱやり過ぎだよね…?」
「・・・」
夏油が何も言わずに眉間に皺を寄せ始めたので、本気で焦りだしてきた。
そもそもこれが自分に似合うとは到底思えなかったし、その微妙な反応を見て初めて後悔し、後退りした。
「・・・傑っ…え…やっぱりこれっ…ダメだよね」
「あぁ…ダメだな……」
その第一声に言葉に詰まり、慌てて着替えようとすると、夏油に腕を掴まれた。
そして、上から下まで舐めるように見られる。
「…っ…すぐっ」
「…絶望的にヤバすぎる…私の理性を保つのにダメすぎる姿だ…」
「えっ」
目を細めて優しく微笑みながら、頬に手を滑らせ、耳を触ってきた。
「このルビーもとても合っているし…やっぱり君は赤が良く似合うな…」
「……ホントに?」
「うん、最高すぎる…こんなに感想を述べるのが難しかったことは初めてだな…」
ニッコリと笑って頷く夏油に、安堵と嬉しさで飛びつく。