第17章 existence■
疲れを知らない五条に連れられて入ったのはオシャレな喫茶店だった。
五条は店員を呼び止め、ケーキやらパフェやらを注文しだした。
「ねぇ、もう夕方だよ?そんなに甘い物食べたら、」
「別に寮の飯なんて食っても食わなくてもいいんだから、お前らもここで夕飯済ませりゃいーだろ。」
レイも夏油もまだお腹は空いていないのでホットティーを飲みながら五条の様子を目の前で見つめる。
「ここってパフェが有名なんだよねぇ〜♪
マジここ店ごと買い取りたいわ〜」
意外にも五条は食べ方はとても綺麗だ。
しかもとても美味しそうにスイーツを頬張るものだから、見ていて気分が悪くは無い。
ボトトトトトトト
「えぇ?!そんなに入れるの?!」
ホットコーヒーに角砂糖を5.6個ぶち込みグルグルとスプーンで掻き回す五条に、さすがに驚愕してしまった。
「え、これ普通だよ?」
「…何度見ても慣れないな。見ているだけでこっちまで口の中が甘くなりそうだ…」
夏油が眉間に皺を寄せながらそう呟いたとき、
カランカランというドアの鈴音とともにクマをかかえた硝子が入ってきた。
「おっ!お疲れぇ〜!硝子も来たのお〜」
「あのねえ、クマ太郎がパンピーの中で飛び回るわけにいかないでしょーが。」
「おっ!なんだそれ!おいらもおいらも」
結局クマもパフェを頼み、レイと夏油と硝子は普通の食事を頼んだ。
そして、食べながら任務の報告をし合う。
「ほぉおーう?やはり傑もやられたんか。そしてレイもまた…。学習能力がねーな。」
「だね……はぁ…」
その言葉にはもう項垂れるしかない。
自分のあまりの弱さをハンバーグと共に奥歯で噛み締めた。