第17章 existence■
「は…んぁ……好きっ…傑…っ…」
「…あぁ…私もだ…っ…」
夏油は初めてキスをしたあの日から、
やはり1度も"好きだ"とは言ってくれない。
"これを言うのは最初で最後だからな"
そう言って照れたように笑っていた彼は、その言葉通りだった。
それでもレイは嬉しかったし、この先ももう一度聞くことができなくても、それでもいいと思っている。
だってこんなにも…
「幸せ……傑っ…」
「…うん……は…ぁ…っぐ…
そんなに…締め付けられるとっ……」
「あっ…だっ、だって…」
再奥まで何度も突き刺さり、快感の渦が体中の熱を放出させてくる。
「はぁ…は… レイ…かわいっ…よ…
その顔は反則だ…っ…」
彼しか知らない、彼だけのために形作られたような体。
ずっと、これからも、彼だけのものでいたい。
「あぁっ…んぁうっ…傑ぅ…!」
激しく体を揺さぶられ、何度も何度も優しいキスが降ってくる。
善がり狂いながらも愛しい名を呼び、その顔を瞳に焼き付ける。
眉をひそめて息を荒らげるハーフアップの夏油の色気がいつも以上に凄まじい破壊力で、
それだけでいつも以上に愛おしいという気持ちと高ぶる情欲が全身で顕になってしまう。
「んんん!イッちゃうぅぅーっ…!」
「少し、静かにっ… レイ…私ももう…いい?」
額をくっつけたままそう問うと、激しく揺さぶられながらも苦しそうにこくこくと頷くレイ。
その震える唇にキスを落とし、角度を変えて奥から舌を奪う。
そのまま両手で彼女の頭を柔く掴みながらラストスパートをかける。
「んんんんーんん!んーーっ!」
唇を塞がれているせいでくぐもった声が喉の奥へと消えていく。
「っっん……」
苦しそうな夏油の呻き声も口の中に吸い込まれたかと思えば、バチっと強く腰を打ち付けられ、それが放出されたのだとわかった。
繋がったまま、少しだけ唇を離して酸素を吸い込み、また唇を重ねた。
このまま何度も何度も、ずっとずっとこうして互いを感じていたいと思った。