第16章 division
「おい、そーいや7割と言えばだが、前回の任務でおいらが言ったことをしっかり守ってやがるよな?」
「……はい。7:3の十劃呪法にしています。」
「ならいい。てめぇはいつまでもバカみてぇに考えあぐねていたからな」
かなり偉そうなクマなのだが、しかしその通りだった。
対象の長さを内分した時、どこの割合の部分に強制的に弱点を付与するのか。
6:4か、はたまた8:2かなど試してはやめ試してはやめを繰り返していた。
前回、クマのおかげで何度も試せる機会を与えられ、そして7:3が1番いいとクマにアドバイスをもらったのだ。
やはりこの特級呪骸は只者ではないと言わざるを得ない。
「おいきた!行け!シチサン野郎!」
「っ!!」
七海の十劃呪法によって、なんとかそれは一撃で祓うことができた。
この呪法は、身体の部位ごとに効果を発揮でき、腕・足・胴体といったパーツごとに対象をとることができる。
自身より格上であってもダメージを与えられ、格下であれば一撃で倒せる有能な術式である。
しかし、
「シチサン野郎、これは確実に7:3の場所に当てる緻密な身体能力と武器操作が求められるわけだ。お前のその呪具は少し改造した方がいい。
そうだな…鉈みてぇな形状のもっと大振りな刃物にしろ」
「…わかりました」
七海はその後のクマの指摘も全て頭の中にインプットするよう懸命に努めた。