第2章 call■
「…うん。そうだなぁ…私は正直、呪術師ってのがよく分かってないの。呪術師になったくせにこんな事言うのはおかしいけど…でも…私はただ自分らしくいられる場所にいたいだけ。自分を偽らなくてもいい場所がたまたまここだった。悟が言ったようにこれもポジショントークかもしれないね…」
私が私でいられる場所。
それに1番近い場所が呪術師というポジションだった。
後悔はしてない。
「でもレイも、人を助けたいと思っているだろう?」
夏油の言葉に思わず目を逸らす。
「…私は…人を助けたいとも思っているけど…本当は…」
「…ん?本当は、なに?」
口篭るレイの顔を覗き込みながら五条が急かすように言った。
いつの間にか硝子も訝しげに見ている。
「本当はね…誰かを助けたいというよりも、あなたたち皆の力になりたいと…思っているだけ…」
私に居場所を与えてくれた傑を。
そして傑が愛する世界と仲間たち皆のことを。
微妙な空気が流れ、ハッとなる。
不謹慎なことを言ってしまったかもしれない。
そう思って慌てて何かを言い直そうとした時、五条の笑い声が聞こえた。
「ははっ、いいねいいね、レイらしいよ!」
「そうだな。君はその考えでいいよ、レイ。」
ニッコリと笑う夏油が視界に入った途端に顔が火照りだす。
そして今更こんなタイミングで改めて考えてしまった。
今ここに集っている私たち4人は全員バスローブの下は裸なのでは…と。