第15章 disaster
「……うぉはっ!!」
「おい起きたか。てめぇこんなとこでくたばってんじゃねぇぞグラサン野郎」
「っ!クマポンじゃーん。つか俺今グラサンねーし。
どっかにぶっ飛んじまったわハハハ!」
クマは顔を顰めた。
飛び起きた五条の傷は治っている。
やはり反転術式の類でやったんか…。
しかし……
こいつ、いつも以上にハイになってやがる。
「おい、いつまで笑ってるつもりだ。
てめぇ正気か?」
「正気正気!正気もいーとこ!
元気ピンッピンだよ!!!」
見開いた瞳孔と顔色がいつもと違う。
間違いねぇ、こいつは…
急激に違う種の呪力を己の身に使ったことで
情緒がぶっ壊れてやがる。
「ふん…まぁいい。五条、お前は今からどうする?
硝子のとこへは行かなくて良さげだが。」
「もっちろん!あいつを…
…ぶち殺しに行く!!!」
そう言って血まみれでボロボロの衣服のまま駆け出した。
クマはひとまず追いかける。
「おいお前、そのハイテンション状態でどこへ行く気だ」
「全く知らねーオッサンのとこ!」
「待て、目的地もなしに走るバカがあるか。」
「傑が戦ってるはずだ多分!だから天元の門あたりに」
「いや、お前をここまでにしたやつだ。ガキは殺されててそこにはもういない可能性の方が遥かに高い。そこに寄ってる場合じゃねぇ。逆方向に行くべきだ」
「あぁ?!じゃあ傑も殺られたってか?!」
「いいやあいつは死んでねぇ。傑と一緒にいるレイも。
うまいこと逃げたかそれか、おい!とにかく止まれ!」
五条は立ち止まって息を切らした。
「はぁ…はぁ…はぁ…なぜそう言いきれるんだよ?!」
「おいらが生きてるからだ。」
鋭い眼光で強く言い放ち、そしてクンクンと鼻を鳴らした。
「おいらは鼻が利く。そいつの匂いがする方向へ行くからついて来い。
おいらの指示に従え。ハイテンション大馬鹿野郎。」