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walking proud~呪術廻戦~R18~

第15章 disaster


「取った!!!」

男が茫然と立ち尽くしている中、レイは男の背後からピアスで作った短刀を突刺すべく、空中から攻め入った。


しかし…


ガゴッ!!!!


「っー!!!」


「ははっ、こんなの見せつけられたって今更なんにも感じねーよ。だって俺プロのヒモだよ?今更情なんてもんはな、…おっと今何時だ?」


レイは男の振りかざした腕で殴り飛ばされてしまった。
そして男は天内を担ぎ上げた。

「まっ…待てっ!」

「…あ?だめだめ。こっちは急いでんの。いつまでもこんな茶番に付き合ってられっかよ」

レイはうつ伏せのままかろうじて腕を伸ばし、攻撃を放った。

「チッ。未練がましい女は嫌いなんだよ」

舌打ちと共にそれを払われ、険しい顔をした男がつかつかと夏油の前に行った。

「こいつくらい消しとけばお前も黙るかな」

「やめろ!!!」

レイは瞬時に夏油に覆いかぶさり、男を睨み上げた。

「ふん、涙ぐましいね。女が男に情を宿すってのは。これだからめんどくせぇんだよ。まぁ殺したところでお前らん中の呪霊の対処も面倒だ。」

男はうんざりしたように踵を返し歩き始めた。

「ま、恵まれて生まれたことに感謝するんだな。だがその恵まれたお前らが、呪術も使えねぇ俺みたいな"猿"に負けたってこと、長生きしたきゃ忘れんなよ」


「にっ逃がさない……待てっ…!!」

男の背中を睨みつけながら腕を伸ばし攻撃を放とうとした瞬間、パシッと腕を掴まれた。

「だ…めだ。返り討ちに遭うだけだ…」

「傑!!」

「大丈夫…ガハッ…」

夏油の吐いた血が顔にかかった。
レイは急いでハンカチを取り出し、夏油の口元と鼻血を拭う。


「あ〜そうだったそうだった!」

突然男の声が聞こえ、顔を上げると、男が歩きながら何かを喋っている声が聞こえた。

「恵って名付けたんだった。俺が。
あいつも今は禪院じゃなくって…まだ苗字は伏黒かなぁ…」


男の笑い声が遠ざかっていった。
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