第15章 disaster
その光景に、驚愕した。
ありえない…
五条が全身血まみれで倒れている。
レイはその場にしゃがみ込んだ。
「さ…とる…一体なにが…っ…」
「おい五条!寝てんじゃねぇ起きろ!」
クマが五条の頭に手をかざした。
すると…
「…っう……」
「悟!!!生きてる!!!」
「は…死んで…ねぇよ……」
「…なにがあったの!早く治療をっ」
クマは眉をひそめながら冷静に言った。
「傑とあのガキはどこだ」
「…行った…先に……」
うつ伏せに倒れたまま、奥から声を絞り出したような掠れた声。
この状態でも喋れているのがむしろ不思議でならない。
「とっとにかく!早く硝子のとこ行って治療をっ!」
「いい…今自分で…やってる……」
「っえ?」
クマは全てを察したように目を細めて言った。
「なるほど?だがこの状態だといつどこから敵がまた襲ってくるか分かんねぇな。……おい待てヘタに動かすな」
五条を何とか仰向けにしようとしたレイをクマは止めた。
「レイは傑の所へいけ。おいらはこいつにつく。
こいつを1人でここに置いてきゃ今度こそ確実に殺られる」
レイはゴクリと生唾を飲み込んだ
「わ、わかった!」
「だが気をつけろよ。こいつをここまでにしたヤツが傑と今戦ってるかもしれん。」
レイは強く頷いた。
瞬時に呪霊に飛び乗り、夏油の元へと急いだ。
おそらく天元様の門付近にはいるはずだ。
五条をここまでにした敵は相当にヤバい奴に違いない。
今、夏油はどうなっているのか…
電話も相変わらず繋がらない。
もう嫌な予感しかしない。
レイはおかしくなりそうなくらいに混乱している頭を抱えた。