第15章 disaster
「君と会う前に、悟との話し合いは済んでる。」
"…星漿体のガキが同化を拒んだときぃ?!"
"……そんときは、同化はナシ!!"
"ククッ…いいのかい?"
"あぁ?"
"天元様と戦うことになるかもしれないよ?"
"はん、ビビってんのー?大丈夫っ。なんとかなるって。
だって俺らは"最強なんだから。"
「私たちは、最強なんだ。
理子ちゃんがどんな選択をしようと、君の未来は、私たちが保障する。」
柔らかい夏油のその言葉に、天内は眉をひそめて泣き出しそうな顔で喋りだした。
「私は…生まれた時から特別で…皆とは違うって言われ続けて…私にとっては特別が普通で、危ないことはなるべく避けてこの日のために生きてきた…」
彼女の一人称が、"妾"ではなく"私"になっていることに気付く。
彼女自身の本音が吐き出されているのだと夏油は理解して、真剣に耳を澄ませた。
「…だから…同化で皆と離れ離れになっても…大丈夫って思ってた。どんなに辛くたって、いつか悲しくも寂しくもなくなるって…。
でもっ…でもやっぱり…もっとみんなと…一緒にいたいっ…!」
天内の表情は一気に歪み、そしてたちまち涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていった。
「もっと皆とっ…一緒にいたい…
もっと皆と色んなところに行っていろんな物を見て…もっと…」