第2章 call■
ドアを開けると、五条も硝子もバスローブ姿だった。
2人とも風呂上がりなのだろう。
髪が僅かに濡れていてやけに色っぽい。
目を見開いてボーっとしていると、何もしてないからね!と硝子に目だけで言われ、そして五条は声を張り上げた。
「いま夜蛾から電話来たよ!ニュース観たがあれはお前だな!って!何かチクったのレイだろ!」
「ちょちょっとここ廊下!うるさい!」
急いで2人を部屋に引き込み扉を締める。
「もぉ〜ごめんねレイ。お楽しみ中のところ…」
「え、いや…別にまだ何も…」
「んんー??まだとは?!」
あからさまにニヤニヤする硝子をソファーに座らせため息を吐く。
五条はドカンと向かいに腰掛け面倒くさそうにテレビを睨んでいる。
「あー、悟?あのねぇ一応夜蛾先生には帳のことは言ってないよ?」
「じゃあなんて言ったんだよー」
「んーこんなかんじ」
そう言って、夜蛾に送ったメールを見せる。
"冥さんと歌姫さん救出完了しました!問題はなし…と言いたいところですが、悟が…。あまり叱らないであげてくださいね〜!
これから観光してお土産買っていきますので!やはり酒のつまみがいいですかー?"
「なんっだよこれ…確実に俺がなにかしでかしたとバレバレじゃねぇか」
「どうせバレるわけだしこうして庇ってあげたんだよ!」
「バレなかったかもしれないだろ〜!あの人の説教って面倒臭いんだよ!しかもゲンコツ痛いんだ!知らないだろ」
「知ってたまるかよ。…悟、少し静かにしろ」
突然そうツッコミを入れたのは風呂から上がってきた夏油。
濡れた長い髪を拭きながらバスローブに身を包んだ彼の色気が凄すぎて明らかに鼓動が速くなっている。
目を逸らしたいが、ちらりと見える胸筋が気になって気付かれないように盗み見てしまった。