第14章 surreal
星漿体、天内理子は、かなり変わった中学生だった。
「下衆め!妾(わらわ)を殺したくば、まずは貴様から死んでみせよ!!」
「ったー…ガキンチョめ…」
盛大にビンタをされた五条を見ながら夏油は噴き出し、そしてなるべく優しい笑みを浮かべて言った。
「理子ちゃん落ち着いて。私たちは君を襲った連中とは違うよ。」
「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!」
「・・・」
今度は五条が夏油を見ながら噴き出した。
「お嬢様!その方達は味方です!」
星漿体世話係の黒井美里。
彼女も先程まで意識が無かったのだが、今は天内共々元気なようで、夏油の呪霊に乗って遊んでいる。
「…?…何に乗っておるのだ黒井?」
「これは!…前髪の方の術式です!」
「……その言い方やめてもらえます?」
「思ってたよりアグレッシブなガキンチョだな。同化でおセンチになってんだろうから、どう気を遣うか考えてたってのに」
うんざりした表情になっている2人に、天内は睨みを効かせて仁王立ちした。
「ふんっ!いかにも下賤の者の考えじゃ!」
「あ゛?」
「いいか!天元様は妾で、妾は天元様なのだ!!
貴様のように同化と死を混同している輩がおるが、それは大きな間違いじゃ!
同化により妾は天元様になるが、天元様もまた妾となる!」
「・・・」
「・・・」
そこからの話を2人はほぼ無視していた。