第14章 surreal
しかし、自分が高専で教鞭を取っている姿なんて、柄にも無さすぎてさすがに笑ってしまう。
「くくくくっ…
グレートティーチャー五条悟いいわぁ〜!!
じゃー傑は何に向いてるんだろな!」
「……さぁね」
「っあ!教祖様なんていいんじゃねぇの!?
頭も良いし口も上手いんだからさ〜!宗教なんか作って変革を〜とかやっちゃって、んで」
「また喧嘩を売っているのか、悟…」
「いやこれ大マジで言ってんだけど!だって傑ならー…」
ボン!!!!!
「!」
「おっ?」
突然大きな爆発音がし、2人同時に上を見上げる。
ビルの一室から凄まじい煙が湧き出て来ているのが見えた。
「…ウケ。
これでガキンチョ死んでたら俺らのせいー?」
「・・・」
呑気なことを言っている五条とは裏腹に、
夏油は険しい顔で、早くも手に呪霊を引き出している。
すると、
「あ。」
「・・・」
その煙の中から、明らかに1人の人間が落ちてくるのが見えた。
ビュンッ!!!!!
「ちょっ、すぐるくんっ…!
あーあ、行っちゃったよ〜俺独りぼっちぃ?
ぴえんとか言っていいー?」
呪霊に乗って一瞬で飛んでいってしまった夏油を見上げながら独り言を呟いた瞬間、
ザザザザザザ!!!
自分に飛んできた無数のナイフを空中で留めた。
パチパチパチ
拍手と共に現れた謎の男が声を上げた。
「素晴らしい!君、五条悟だろ。有名人だ。強いんだってね。噂が本当か確かめさせてくれよ」
ぶふっ!!変なコスプレ!!
五条は込み上げてくる笑いをこらえる。
こいつはQかな?
それとも…
ま、なんでもいーや。
以下しょーりゃく!
バラバラとナイフを退かしながら男に近づいた。
「いーけど?ルールを決めよ。」
「…ルール?」
「うん、やり過ぎて怒られたくないんでね、
脳筋せんせーに。」
「・・・」
「泣いて謝れば殺さないでやるよ。
これがルールね。」
「…クソガキが」
ニヤリと笑う五条と、帽子とマスクの隙間から見える鋭い眼光が交わった。