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walking proud~呪術廻戦~R18~

第13章 quarrel


2人の頭の中で、
その会話となんとも言えない感情と胸糞悪さが反芻された。



「俺さーもう呪術師やめるわ」

それは五条の一言から始まった。


「・・・は?」

一瞬本気で幻聴かと思った。
目を見開いて隣を見ると、ベンチにだらりと身を預けてペットボトルに口をつけている五条。


「いやさー、もううんざりなんだよね。ぜんっぜん遊べねーしー。マジ青春ねーじゃぁん」

その言葉に、夏油はこめかみに青筋を立てた。
こうなると、完全に切れるまでほんの少し。


「ふざけるな悟!君には強者としての役割がある!それを放棄してはならない。術師としての責任を果たせ。」

「あ?じゃーいつまでもこんな普通じゃねぇ生活してなきゃなんねってか?」

眉間に皺を寄せて横目で見てくる五条の顔は至極本気に見える。
冗談で言っているのだと淡い期待をしていた自分を呪った。


「そうだ。それは人にはない力を持った者の宿命だ。最期まで責務を全うしろ」

「責務?なんじゃそら。俺は自分の人生を生きてぇんだ」

「人生=責務なんだよ。目の前の現実から目を背けて使命を放棄するな。」


すると五条は少し押し黙り、そして視線を遠くに投げ、静かな声を出した。


「たまに、なにもかもを終わらせたくなる時があんだよ」


「・・・なんだってぇ?」


夏油の声はものすごく低い。
その声のすぐあとに五条は言った。


「俺も怖いんだよ。傑。
俺もレイみてぇにな、怖いんだ。この先が。
今の幸せが、一瞬で壊れちまうときが、来るのが…」


その言葉には口ごもってしまった。
何も言い返さなくなった夏油をチラリと見てから五条は言った。

「あー…お前には分かんねーかもな。俺と傑の考え方って昔っからぜんっぜん違うもんな。」

「・・・何が言いたい」
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