第13章 quarrel
「大丈夫だよ。どーせじきに飽きて終わるよ」
「っはぁ?そんなわけ」
「いや、レイは知らないかもだけどさぁ、レイが高専来る前なんてこんなこと日常茶飯事だったんだよー?」
「えええ?!」
やれやれと言った声で、ヤニ代わりのチュッパチャプスを咥えながら面白そうに笑っている硝子。
彼女にはもう頼れないと思った。
あまりの音響と騒がしさのせいか、いつのまにか近くに灰原と七海も出てきていた。
「うっっわあぁぁ〜!!やっぱすっげぇぇやぁー!!」
「・・・はぁ・・・」
灰原は目を輝かせ、七海は眉間に皺を寄せてため息しか吐かない。
「ね、ねぇ、2人とも?後輩だし男同士だったらあの二人をどうにか止めること出来るんじゃない?」
そう思って懇願するように問いかけるが、七海は視線を逸らさないまま棒読みで言った。
「…無理ですね。そもそもあの二人は次元が違うので普通の男では無いですし、あそこへ行けば確実に死にます」
「ひぁっほおおー!!夏油さぁぁぁん!!
かっこいーーーーっ!!!!!
頑張れーーーっ!!行っけぇぇぇー!!!」
「…えっ…ちょっ……」
灰原はなんと、夏油に声援まで送り始めてしまった。
目がハートマークになっているようにも見える。
「こっのやろおおーー!!
冗談はそのおかしな前髪だけにしろよ!」
「君こそ冗談はその態度だけにしといた方がいい。
誰彼受け入れられると思うな。終わりにしてやる…」
夏油の出した大型呪霊が五条に勢いよく飛んで行った。
その瞬間…
それは間に入ってきた虎のような形をした呪霊にぶつかった。
「「!?」」
いつのまにか、夏油の呪霊と虎の呪霊の乱闘が巻き起こっていた。