第2章 call■
「ってか、2日って?」
歌姫が明らかに頭の上に疑問符を浮かべている。
五条が腰に手を当てながら言った。
「あー、やっぱ呪霊の結界で時間ズレてた系?珍しいけどたまにあるよね。冥さんがいるのにおかしいと思ったんだ」
「そのようだね。それはそうと君たち…
…帳は?」
冥冥の言葉に、皆の表情が固まる。
「さーとーるー!」
「っは、はは。忘れてたわ〜」
「忘れてたじゃ済まされないでしょ!どーすんのここまで派手に破壊しといて!!大ニュースだよこれは!!!」
「今からでも遅くは…いや遅いかっはは」
「悟が自分で言ったんだよ!帳は俺がやっとくって!」
レイは焦りすぎていて下の名前で呼んでいることには気が付かなかった。
「おっ、いいねいいね〜
もっと呼んで!悟って!」
「…っな?!…ふざけないで!」
そんないきり立つレイの腕を夏油が掴んだ。
「まぁ過ぎたことは仕方がない。落ち着こうレイ。」
冷静な声色で諭されればレイは黙りこくってしまう。
でもこれは一大事だ。
即座に夜蛾にメールを打った。
「さぁーて、そいじゃー俺らはお待ちかねの観光と行きますか!ホテルも取ってあるし!ぜーんぶ夜蛾の金でね!」
「っ、あんたたちホントは私たちを助けることよりもそっちがメインだったんじゃ…」
歌姫の言葉は完全に無視された。
4人はすでにキャッキャとスマホの地図やサイトを開きながら行き先を話し合っているようだ。
冥冥は「せっかくだから私たちも行きましょ」そう言いながら顔を顰めている歌姫の肩を叩いた。