第2章 call■
着いた先は大きな屋敷。
たどたどしいどす黒い空気が滲み出ている。
おそらく2人は中にいるだろうということはもう4人ともわかっていた。
「どうする?闇雲にやると、中にいる2人にまで危害を加えてしまう。かと言って、このまま中に入っていったら私達も2人みたいに…」
レイが耳を弄りながら言うと、五条が満更でもない様子で笑いながら言った。
「大丈夫大丈夫。3人とも下がってて。
…1発で決める。」
「っ!え!ちょっとさとっ」
ドッカーーーン!!!!!!
五条によって、屋敷が跡形もなく破壊された。
ただの瓦礫の山と化してしまった残骸から、ボロボロに汚れた歌姫と冥冥が這い出てきた。
「もう、全然大丈夫じゃないじゃん…あのバカ」
硝子のつぶやきと同時に五条がケラケラ笑いながら言った。
「助けにきたよぉ〜歌姫〜
あれぇ、泣いてるー?」
歌姫はキッと睨みあげながら立ち上がる。
「泣いてねぇよ!!!
五条!!私はね!!助けなんてっー…」
バガガガガガ!!
歌姫の後ろに迫っていた呪霊を瞬時に退治したのは夏油だった。
「悟、弱いものいじめはよくないよ」
「強い奴いじめるバカがどこにいんだよ」
そのやりとりに冥冥がすかさずツッコミを入れる。
「君の方がナチュラルに煽っているよ、夏油くん」
「…あ……」
そんな夏油に歌姫はいきり立っている。
「歌姫せんぱーい。無事ですかー?」
「2日も連絡なかったんですよ!」
「硝子!レイ!
あんたたちはあの二人みたいになっちゃダメよ!」
あの二人とは五条と夏油のことだろう。
「あはは、なりませんよあんなクズ共。」
硝子は度々このコンビをクズ呼ばわりする。
見た目は明らかに柄の悪い不良にしか見えないし、それが2人も揃えば誰がどう見てもろくでもない非行少年にしか見えない。
しかし、突拍子のないことをしでかす最強の2人は自他ともに認める"親友"だった。