第11章 throbbing
「あーやばかった…ホントどれもすごかった。こんな世界があるなんて、もっと早くに知っときたかったわー。」
そう呟きながらレイは写メを確認する。
夏油とのツーショットもあるけど、五条を混じえてのスリーショットの方が圧倒的に多い。
この2人に挟まれている自分を客観的に見ると、なんだか釣り合っていない気がする上に普通に照れくさいと思った。
アラジンエリアもアリエルエリアも一通り満喫できて、今はふらりと入ったレストランカフェで休憩しているのだが…
辺りはいつの間にか暗くなってきていて、あの二人を数時間も放置していたことに今更気がつく。
慌てて五条に電話をかけさせた。
「……電話でねーな、あいつ…
まっいっか。まだ放置しとこーぜ」
「でも硝子はそうそう酔い潰れないよな。
クマはどうしてるんだろうね」
どこまでも呑気な2人にレイはみるみる眉を顰める。
「ちょっとちょっとそんなこと言ってる場合じゃなくない?!ディズニーで潰れちゃってるなんてやばいじゃん!」
「なんでー?」
「えっ、ななんでって…」
「ディズニーだからこそ、大丈夫だろ」
五条の言葉に、夏油もうんうんと頷いている。
レイは言葉に詰まり、考え込んでしまった。
キャストの人たちが全員親切だからとかそういうことが言いたいんだろうか?
それとも、夢の国だからどうとでもなる的な話だろうか?
よく分からないけど心配は心配だ。