第11章 throbbing
「私、ブルックリンラガー。で、クマはどーする?」
「んー…おいらは…カール、バ、…」
「カールスバーグね。あとこのオードブルの盛り合わせください。それからこの骨付きソーセージってやつも!それとぉ…ストローくださいっ」
『かしこまりました!』
さすがディズニーの店員さんと言ったところで、
ダッフィーでもないクマのぬいぐるみと会話をしている硝子に対してにこやかな笑みしか浮かべない。
このバーは本当に雰囲気がいいし、豪華だし、硝子は満足気に大きなソファーの席で寛ぐ。
「じゃんじゃん飲もーぜクマ太郎!ぜーんぶ五条のおごりだから!」
ニッと笑ってお札をチラつかせる。
「そうなのか?あいつ意外と気前いいんだな」
「昨夜私に酒奢るって約束したからね!」
「また約束か。やっぱ人間は約束が好きだな。」
ひとまず乾杯をする2人。
硝子はすごい勢いでごくごく飲んでいる。
「んーっ!うっめー!!さいっこーだな!
え〜次どれにしよ〜」
メニューを捲る硝子の隣で、クマはストローを使ってちびちび飲んでいる。
「あっ、てかさぁクマって酒飲めたんだね。初めて知ったわ。」
「や…酒は初めてだ。」
「えっ?うっそ大丈夫?」
硝子は目を丸くしたのだが、クマは意外にも余裕そうにしている。
「大丈夫だ。意外といける。コーラよりかはな。」
「でしょでしょ!ちなみにそれはデンマークのビールだよ!
いちごミルクより美味いっしょ!」
「いや、いちごミルクには適わねーが。
つかデンマークって言えば七海健人か。」
「あーそいや七海も酒好きなんだよ!私に負けず劣らずすげーグルメなんだ、あー見えて!」
「ふーん。」
興味なさげにオードブルを食べだすクマ。
その隣でまた硝子は店員を呼び止めて注文をする。