第11章 throbbing
「おいらも行くー!このオードブルがめちゃくちゃうまそーだ」
いつの間にか夏油の脇で硝子のスマホを覗き込みながらクマが声を上げていた。
「んー…まぁクマが一緒なら…いっか。
さっきからやたらクマ抱えてる人多いし…」
視線を走らせる。
なぜかシーではクマのぬいぐるみを抱えている人がやたら多いのだ。
中にはリボン付きの女の子のようなクマを抱えている人も。
少しは硝子も浮かなくて済む…かも。
「ぷっ。あれはダッフィーだろ!メスの方は…なんだっけ、忘れたけどーとにかくてぃーでぃーしーでは人気のぬいぐるみ…っぽい!」
「へぇ〜すごくかわいいもんね。」
「なにー!おいらのがぜってーかわいいっ!」
レイのポツリと言った本音に反抗心剥き出しにするクマはすでに硝子に抱えられていた。
「はいはいクマ太郎は私と酒場に行こ〜ね〜。
じゃっ!またあとで連絡してよっ!」
そう言って手を振りクマと共に去っていってしまった。
「だ、大丈夫かな…酔っ払ってなにかしでかさなきゃいーけど…」
「大丈夫大丈夫、放っとこーぜ。つーか!まだ俺らアラジン行ってねーじゃん!行こーぜ!」
あぁ、そう言えばシーにはアラジンの建物とかアリエルの建物とかあるって言ってたっけな。
とりあえずなんだかんだ言ってもレイはうきうきが隠せなくて、五条と夏油3人で歩みを進めた。