第10章 dreaminess■
「でもさ、私は応援してるからね?!
あんたたちのことっ!」
突然バシッと硝子に背中を叩かれた。
満面の笑みの彼女がとても大人びていて頼もしく見える。
「ふ…ありがとうっ…」
「つーかあいつらいつ帰ってくんだろ?もう結構人溜まってきてね?」
確かに…
この場所が見つけられるのか不安になってきた。
硝子が電話をかけるが、応答がないらしい。
「きっと今何かに乗ってる最中なんだよ多分」
「だな。にしてもあの元気はどこから来るんだろーね」
特に五条は…とウンザリ気味に言う硝子。
レイは確かにと思うが、なんだかいつ見てもあの二人を羨ましく思う。
「でもあの二人って、なんかバランスとれてていいよね。2人でちょうどいい感じになってるっていうか」
「わかる。2人で最強って言われてるわけだしね。でもいずれ、1人で最強になってくんだろーね。」
「…そうだね。そろそろ特級呪術師に昇格するだろうね」
そんな2人に負けたくない。
置いていかれたくない。
そういつも強く思っている。
自分の人生を救ってくれた傑にも悟にも硝子にも恩返しがしたいからだ。
だから今は私にできることを精一杯やっていきたい。
3人の役に立てるように。