第10章 dreaminess■
「なぁに、気になる?」
「そりゃ…気になるよ。昔のあの二人のこととか知らないしさ。」
硝子は肉を齧りながら何食わぬ顔で喋り出した。
「んーまぁあのねー、私もそこまで詳しくはないんだけど、別の高校の仲良い女の子同士とあいつらが付き合ってたのは知ってるよー?もちろん呪術師だって隠して。」
「あー…」
棗の言っていたことを思い出す。
今まで家に連れてきた彼女はみんな非呪術師だったと。
「あいつら一応は外見だけでモテるじゃん?だからね、五条を筆頭に、けっこー遊んでたくさい。」
「・・・」
やっぱりディズニーデートとかもしていたんだろうか?
まぁでも10代ならばむしろ自然で当たり前だよなと思う。
レイが黙ったままなので、硝子は急いで言い直す。
「あ、ごめんごめん、体の話とかじゃなくてだよ?フツーに恋愛がしてみたいって言ってて。まぁでも…結局どの子も合わなかったんだろうね。付き合うまでに至らなかったのがほとんどだったっぽい。もしくはそっこー別れてたくさいし」
「…そっか。そうだよね…だって私たちって、普通の高校生じゃないもんね…」
「それな。」
普通の人と、普通の恋愛なんてのはそうそうできそうにない。
だって、いつ死ぬかも分からないし、生活リズムも違うし、学んでいることのなにもかもが違うし…