第10章 dreaminess■
「うし!これで8つは乗ったな!あと1つくらいは乗れそうだ」
「っえ!ちょっと五条〜さすがに私もそろそろ疲れてきたんだけどぉ〜」
もう辺りは真っ暗だ。
あまり休憩を挟まずにアトラクションにばかり連れ回されていたため、さすがに硝子も限界らしい。
「もーだらしねーなマジでこいつら。じゃー硝子はレイとパレードの場所取りしといてよ。ついでになんか食いもんも買っといて」
よく見ると、もう既に場所取りをしている人たちがちらほら見える。
夜のパレードはすごいらしいし、大好きなお姫様たちも見られるというのだから、絶対に外せないと思ってレイは承諾した。
「おし!じゃー傑とクマ野郎は行くよ!」
「私も行くのか?クマと行ってきなよ、ほら」
そう言って夏油はクマを押し付けたのだが、お前は疲れてねーだろとか言われながら無理やり五条に引っ張られて行ってしまった。
レイと硝子は適当に食べ物を買って、1番前の位置にシートを敷くことができた。
「ふっは〜!ビールあったらめっちゃ最高なんだけどな〜」
ミニーの耳をとりながらドリンクを飲んでいる硝子を見て笑う。
「明日は飲めるんじゃない?シーにならあるらしいし」
「だね。てかさー、あいつらって絶対シーにも行ったことあるよね。ないとか言っておきながらさ。」
その言葉に、暫し考え込む。
確かに、やたらシーについても詳しいし、今日も五条と夏油でこそこそ何かを喋っているのを何度も見たからなにか隠し事でもあるのかと思っていた。
「ねぇ、別になんだっていいんだけどさ、あの二人って、今まで結構恋人とかいたの?」
レイの問いかけに、硝子が一瞬目を丸くしたかと思えばふふふっと笑った。