第10章 dreaminess■
時に絶叫したり、時にびしょ濡れになったり、時に恐怖したり…
食事も建物もなにもかもが可愛くて写メをたくさん撮った。
夜になると、さすがに脚が疲れてきてしまって、歩きやすい靴で来たのにそれに気がついてくれる夏油がさすがだった。
「大丈夫か?おんぶする?」
冗談なのか本気なのか分からない顔をしてそんなことを言われる。
「ふははっ、さすがにここでそんなことは…
てか大丈夫だよ、まだいける」
「休憩しよう、悟」
「あ?」
前を行く五条に声をかけた夏油。
しかし五条は振り返って苦笑い気味のレイを見てこう言った。
「おーけーおーけ。んじゃさー休憩できる乗り物に乗ればよくね?あれなんかどうだ?よし、あれだ。」
そうして勝手に決めてしまったのはイッツアスモールワールド。
「全く……ホントに大丈夫か?レイ」
「うん真面目に大丈夫だよ!」
そう笑顔を作ってみせると、五条の隣にいたはずの硝子がいつの間にか自分たちの前にいた。
「ちょっと夏油、私の心配もしてくんないー?」
「…硝子は余裕そうだからな」
「チッ、バレた?ほら行くよレイ」
そう言って手を引かれ、もう片手は夏油に引かれる。
この状況がなんだか子供になった気分で照れくさくて、けれど嬉しくて、何も言えなくなってしまった。