第10章 dreaminess■
並んでいた五条たちに合流する。
「おいプー太郎。お前ちゃんと可愛らしい本物のプーさんをよく見ておけよ」
渡されたチュロスを食べながら五条がクマに悪態をつく。
「くそ野郎が。おいらのが可愛いよな?硝子!」
「あははなんで私に聞くわけ!てかクマってみんなハチミツが好きなの?ねぇどうなの?」
チュロスには飽きたのか、食べかけをレイに渡して硝子は違うものを食べている。
「おいらはハチミツには興味無い。それよりいちご味の何かが食いたい」
「あっ!さっきイチゴのかき氷あったよ〜あとで食べようか!」
「「食べる〜!」」
クマとレイの声が重なった。
そのはしゃぎようを苦い顔で見てから五条が言った。
「え、なにこいつら。マジ食いもんだけで満足系?」
「はは、まぁいいじゃないか悟。のんびり行こう」
「のんびりしてられるか!俺は記録を更新したい!前に来た時は5つ乗ったよな?」
どこまでものんびりしている態度の夏油に苛立ったように五条が言った。
夏油は苦笑いを浮べる。
「っ…よく覚えているね悟くん…」
「乗ったことないやつを制覇したいんだよ!」
「あまり連れ回すと皆疲れてしまうよ。明日もあるんだし。」
「はっ、女と子供には優男かよっ。前にダブルデートで来た時もそうだったもんな傑は」
「しっ…声がデカい…」
わざとらしくニヤニヤする五条を睨む。
余計な話をしてこの幸せな空気をぶち壊したくはない。
心から笑っているレイが見られればそれだけで本気で満足だった。