第10章 dreaminess■
一日目はランドの方らしい。
「え…やば…ねぇ広すぎじゃない?マジで国じゃん…」
レイは地図を見ながら目を見開いた。
何が何だかわからない。
「ちょ、ちょっと悟、案内してよ」
「俺も1度しか来たことねーからあんま知らんのよねー。ま、とりあえず人気のやつから行こーぜ!」
「なんか良い匂いする〜!おい、あっち行こーぜ」
夏油の脇に抱えられているクマが指さしたのはどうやらポップコーンのワゴン売りっぽい。
「っは、お前しょっぱなからそれぇー?つーかそれ以前にお前がいること自体が謎なんだけど?」
五条の発言は盛大に無視されていた。
なぜなら良い匂いすぎて、レイも導かれるようにそちらにすでに向かっていたからだ。
可愛らしい入れ物ごと夏油が買ってあげているのを見て硝子が笑う。
「我が子には甘いってやつ〜?」
「はぁ…もうこうなったらあいつらに食いもんは任せて俺らで先に並ぶか」
そう言って五条は夏油に財布を押し付け、硝子と共にネットで待ち時間を確認しながら足早に歩を進めていった。