第10章 dreaminess■
「ん〜やっぱ傑ママ特製のお菓子ってマジうまいわぁ〜
顔も美人で料理も上手くて優しくてとかパーフェクトすぎじゃね?!あ〜俺結婚申し込んじゃおっかなぁ〜!」
五条がバリバリとクッキーを頬張りながらなかなか真剣な顔で言うので笑ってしまった。
でもまぁそう言いたくなる気持ちもよく分かる。
「うん、ほんと綺麗な人だよね。私もびっくりした!妹の棗ちゃんもかわいいし〜。お父さんも凄く良い人で…あ〜夏油家に生まれたかったなぁ〜」
それくらい、魅力的な家族だった。
「まぁ棗も可愛いけど。…俺ガチで傑パパに、ママ貰っていいか頼んでみようかな!」
「ははは、殴られるよ」
「悟…冗談でもそういう発言はやめてくれないか…」
本気の表情でそう言う夏油の膝の上ではクマがいびきをかいている。
「ねぇ、そろそろ着くっぽいよ?」
そう教えてくれたのは助手席に座っている硝子。
そう…
私たちは今、夢の国までの道中。
つまり車の中にいるのだが…
誰の運転かというと…
それはもちろん、
森さんだ。
ディズニーは車で行った方が早いし楽だからとかなんとか言って、五条が森さんと交渉したらしい。
その交渉というのもなかなかあざとくて、森さんの小学生の子供さんに、なかなか手に入らないレア物フィギュアを手に入れてあげるからとかなんとか。
さすが五条コネクションはすごいとしか言いようがないのだが、今回のディズニー計画は全て五条任せなので、いろいろと不安もある。