第9章 swear
次の日は、棗とクマと、そして嫌がる夏油を無理やり引っ張っていって買い物に出かけた。
原宿に行きたいと棗が言ったので、竹下通りで買い物をしたり、クレープを食べたり…
一緒にたくさん写メを撮ったり。
正直レイは今までにないくらいに楽しいと思った。
姉妹ってこんな感じなのかな?
まるで妹ができたかのように棗とはとても仲良くなれたし、なんだかんだ言って夏油もクマも楽しんでいるようだ。
「っあ!ねぇねぇ皆でプリクラ撮ろーよ!」
そう言い出したのは棗だった。
「いーね!実は私まだ1度しか撮ったことないんだ。」
「えっ!そうなの?」
「うん。ほら。」
スマホカバーの裏に貼ってあるそれを見せると、棗はおもしろそうに笑った。
そこにはまだレイが高専に入ったばかりの頃、夏油と五条と硝子の4人で撮った、なんともふざけた変顔の4人が映っている。
「めちゃめちゃ仲良さそ〜!みんな面白い顔〜!とくに五条の顔やっばー!さすがじゃんウケる」
「うん、でもこの頃の私はまだ皆と馴染めてなかったんだよね」
「へぇ〜じゃあまだお兄ちゃんと付き合う前かぁ…」
まだその頃は高専に来たばかりで100%は皆と打ち解けていなかった。
それを察して、五条たち3人がよく遊びに誘ってくれたのだ。
これはその時に撮ったプリクラで、今思えばこのときの変顔の一件から一気に仲良くなれて、今に至る気がする。
これはその時の最高の思い出であり、一生の宝物なのだ。
だからいつも視界に入るようにスマホに貼っている。
私は良い仲間に恵まれたな。と改めて思う。