第9章 swear
「うん。返しておくね。」
そう言ってレイがバッグにそれを入れると、予想外の言葉が降ってきた。
「もう3ヶ月も会ってないからさ〜危うく忘れるとこだったよ〜」
「え?3ヶ月?」
驚いているレイをよそに、夏油が独り言のように呟いた。
「あいつ3ヶ月前にもここへ来てたのか…」
「前なんてしょっちゅう遊びに来てて、いろいろゲームやってたのにさー、最近めっきり来ないんだよね。そんなに忙しいのー?」
なるほど…
悟は1人でよくここへ来て妹さんと遊んでいるのか。
そうレイは結論づける。
「まぁ…忙しいっちゃ忙しいね。でも、会った時に言っとくね。
棗ちゃんが会いたがってたって。」
「うんよろしくね!」
そう言って美味しそうにドーナツを齧る棗はお母さんに似てとても可愛らしいと思った。
愛想も良いし、確かに五条とも気が合いそうだ。
「…なぁ、なんで棗までここでお茶してるんだ?母さんの手伝いでもしてこいよ」
「いいじゃん別に!そんなことよりお兄ちゃんまた髪伸ばしてんのー?キモイよー?」
「…っ…いい加減にしろよ、棗…」
「ねぇ、レイちゃんはこの髪型どう思うー?」
突然そんな事を聞かれ、一瞬戸惑ったが、素直な感想を述べる。
「私は…すごく似合ってていいと思うよ。男の人でこういう髪型が似合う人ってあまりいないしね。」
いつも後ろで束ねていてオシャレだと思うし、解いてまっすぐおろしている姿もすごく色っぽくてレイは本気でかっこいいと思っている。