第9章 swear
「え〜マジー?でもうちの中学じゃこんなの流行ってないよー?今の流行りって、横に刈り上げて前髪をもっとこうー」
「そろそろ黙ろうか棗。ぶっ飛ばされたいのかな?」
「はぁ?やっぱ五条悟がお兄ちゃんだったらよかったわ〜髪型はイケてないけど顔はイケてるし、お兄ちゃんよりいっぱい遊んでくれるし」
「ほう、なら今すぐ五条家に嫁いでこい。止めないよ」
さっきから黙って聞いていたレイは思わず笑ってしまった。
弟もいいと思ってたけどやっぱり妹も良いなと思った。
こんなふうに口喧嘩をしてみたい。
「なぁ棗!お前の持ってるゲームやらせてくれ!」
突然クマが口を挟んできたので、今の今までその存在を忘れていたことに気がつきビクッとする。
「ちょっとクマ、初対面の人に向かって何言ってるの、お行儀良くしなさい」
「いいよいいよ!やろーよクマちゃん!」
棗はとてつもなく嬉しそうな笑みを浮かべて自室へとクマを連れて行ってしまった。
夏油は深く息を吐いてソファーに寝そべりレイの膝に頭を置いて膝枕にした。
「ふー、ようやく煩いのが消えてくれた。勘弁してほしいなほんと。実家に帰ってもゆっくりさせてもらえないなんてうちだけだろ…だから帰りたくないんだ」
レイは笑って夏油の頭を撫でた。
「妹さんはお兄ちゃんと遊びたいんだよ。きっと、大好きなんだよ傑のことが。」
「は…あんなに憎たらしいのと遊んでられるか」
「でも私からすればすごく羨ましいな。私には兄弟もいないから、口喧嘩とかしてみたかったって思うしさー。」