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walking proud~呪術廻戦~R18~

第9章 swear


夏油は心底申し訳なさそうに部屋のソファーに深く腰掛けため息を吐いて上を見上げている。


クマがようやくバッグから這い出てきた。

「ふーっ、マジ息詰まるぜぇ…」


すると、ノックもなしにガチャっとドアが開いたかと思えば、お茶をお盆に乗せた棗が入ってきた。

また夏油の顔がみるみる不機嫌になる。

「おい、ノックはしろよ。常識だろ」

「だって両手塞がりなんだもん。今だって肘でなんとかドア開けたんだよ」

「あっ、棗ちゃんごめんね!私がやるよ!」

レイが慌てて立ち上がりお盆を受け取ろうとするが、

「ははっ、いーのいーの!座ってて!」

そう言って棗が紅茶を注ぎ始めた。
テーブルに皿を並べ、ドーナツの袋を置く。
箱を取りだし並べられているドーナツを眺めながら言った。

「ね!どれ食べていいの?」

「もちろん棗ちゃんから好きなの取って?」

レイがそう言うと、色とりどりのドーナツに目を輝かせている。

すると横から、ひょいっとピンクのドーナツを掴みあげたのはクマ。

棗が唖然とした表情になり、レイも一瞬のことすぎて固まってしまった。

「ん〜けっこーうまい!やっぱイチゴの味だァ〜」

「ぬいぐるみが…喋ってる…」

そう目を見開いて呟く棗に、慌ててレイが口を開きかけた時、夏油の冷淡な声が降ってきた。

「棗、そいつは特級クラスの呪骸だ。扱いには気をつけろよ」

えっ、と思ってレイが夏油を見ると、夏油は何食わぬ顔で紅茶を啜っている。

「あー…そっか、思い出した。
ラインで言ってたやつね。かわいいなぁ…」

棗はむしゃむしゃドーナツに夢中になっているクマの頭を撫でた。
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